今井雅宏 無料コラム
2023.9.30 更新
*前日予想と違って、不定期だがほぼ毎週出走馬確定前に行っているMの次週重賞データ分析コーナー。
前週のデータ分析を回顧し、当週の重賞を過去数年にわたってデータ分析しています。
出走馬確定前に分析しているので、今回の出走馬ではなく、あくまで近年の連対馬、人気で凡走した馬のステップを解析し、そのレースの質(特徴)を読み解くと同時に、Mにおけるデータ分析手法の実践を通し、その習得を目指したコーナーになります。
新たに編集S君の予想と、それに対する今井氏のワンポイントアドバイスコーナーが付いて、重賞分析がさらに使いやすく、増量パワーアップ!
2023.9.30 更新
スプリンターズSデータ分析
編;先週は、重賞では勝負レースに選んだ神戸新聞杯で今年も本命が勝って馬単68倍が5点目的中、勝負レースでは他に大阪スポーツ杯で馬単17.5倍がズバッと得意技の1点目的中で3連単の万馬券も的中して、日曜中山7Rでも馬単2点目的中がありました。そして今週は秋GⅠ開幕のスプリンターズSですよ。夏の古馬1200m戦線は、CBC賞で8番人気サンキューユウガ、北九州記念で9番人気ストーンリッジと本命が激走して、セントウルSの348倍3点目的中で仕上げてますけど締めも改めてよろしくお願いしますね!
今;また美味しい人気薄がいると良いよね~。先週の予想に関しては、前週の300倍2点目的中が準勝負だったから、勝負レースで2点目以内の的中が2つあったのは何よりだったよ。
編;まさに先週話した、勝負レースの馬単2点買いは6月の時点で今年のプラスが確定しているという、そのままの結末でしたね(笑)。先週までの「3週連続300倍台3点目以内的中」のミラクルに比べると目だちませんが本命がコツコツと走りました。土曜は馬券圏内を外した本命は1頭だけでしたよ。
今;土日通じて勝負レースも馬券圏内を外した本命は1頭だけだったけど、そのレースの本命はレースのポイントで「絞れれば理想」で増えて来ちゃったからね。
編;木更津特別ですよね。あれは強烈でした(笑)。レースのポイントで取り上げた予想上位4頭中2頭で決まって馬連446倍、馬単10万馬券でしたもんね~。あれは本命が増えちゃって、同点対抗の方は馬体重が合っていたので、馬体重見て当てた人も多かったみたいですよ。今井さんも買ってましたよね?
今;先週話したように、ここは単勝爆弾編隊を一気に出撃させないといけないシーンだったよ(笑)。
編;単勝78ですもんね。その話は後でまたして貰うとして、まず神戸新聞杯です。過去5年全てで本命が連対して、昨年も単勝11倍の本命が勝ったりと相性の良いレースでしたが、今年もバッチリ本命が来ましたよ。
今;えっ前5年とも本命が来てたの?NHKマイルCもそうだけど、案外最近は広いコースの根幹距離予想向きになっているのかもね~(笑)。昨年は中京2200mで本命が勝ったわけだけど。
編;3番人気サトノグランツは直ぐでした?
今;これは新聞見た瞬間、ほぼノータイム。ストレスがなく、高速馬場適性もまずまず高く、まとまっていて鮮度時なら馬群を割れるから、特に問題ない。心配な点としては馬体重ほど大きな馬ではないんで休み明けで馬体が減ってくることと、あとは奇数番で出遅れちゃうことかな。今回は減ってくるとかなり危ない。多分凡走してたんじゃないかな。そしたら当日は増えてきたから、あとは出遅れなければ確実に来るとは思ったよ。それでスタートも決めたから後は安心して見てた。ただ思ったよりペースが遅いんで「前が壁になって開かないかもで危ないぞ」と少し心配になったけど。ペースが遅いと騎手が自在に位置をとれるから意識的に手応えの良い馬の進路をブロックしてくる可能性もあるからね。スローはそういう騎手の思いつきで結果が変わる偶然性はどうしても排除出来ない。そしたら直線少しばらけたんで、あとはもう抜け出すだけで楽だったね。それとこのレースは本命以外に買いたい馬がいなくて、そもそも悩みようもなかったんだ。だから輸送が失敗するかして当日馬体が減って出て来たら運がなかったと諦めるしかない。他に本命にする根拠のある馬がいないわけだから。
編;そういえばこのレース、全頭評価では64点がいて、66点以上が多頭数なのに6頭しかいない珍しいパターンの予想でしたね。FAX予想では66点にも×印が付いていましたし。64点なんて久しぶりに見ましたよ(笑)。それだけ走れない馬が多かったわけですか?
今;それもあるけど、単に買い目ルールの調整だったんだけど。最初2番人気のファントムシーフと10番人気のサヴォーナを67点にしてたんだけど、そうすると同点で人気のない方が上位ルールの適用でサヴォーナが上位になるんで、ファントムシーフの方が来る可能性が高いかな?ということで、1点ずつ下げて買い目を調整したんだ。結局、調整しない方が5点目でなく4点目の的中になったんで良かったけど(笑)。サヴォーナは上位に来る可能性はそれなりに高いけど、まず勝ちきれないと考えていたんだよね。前走1番手だったキズナの短縮だからかなり乗りにくい。1番人気は外枠のハーツクライで馬群に入れるか、ペースが上がらないと精神コントロール上危うい。4番人気のロードカナロアは、硬くなりやすいんで反動が出るか半々に加えて、延長外回り2400mがどうか微妙。武豊の2番人気は揉まれ弱い馬で加速もいまいちだから休み明けの高速の中枠が乗りにくい。ということで、全部怪しいステップだったんだ。結局ある程度ペースアップするという読みで、相手にはハーツクライをとったけどね。まさか武が逃げるとは思わなかったよ。あれだと揉まれ弱くて中枠高速馬場というファントムシーフの問題は全てクリア出来ちゃうし、彼の逃げだとペースも上がらないからね。あれを見て4点目で安い配当の的中か~とがっかりしてたら、サヴォーナが前に行ってくれたお陰でなんとか2着で、高配当的中になって良かったね。オールカマーは捲られて揉まれたのがタイプ的に苦しかったよ。しかも休み明けで量系が馬体減りで体力不足のところを勝ちに行って揉まれる競馬だから体力ストックがゼロになっちゃった。終わってみれば、馬体重の合ってる方の重賞で本命が走るという、いつもの結末だったね。
編;毎回話している通りでしたね。馬体重といえば最初に話題に出た木更津特別ですが、本命がプラス体重と逆ベクトルで、1,2着馬は減った方が良い馬が馬体減りで、増えた方が良い馬が馬体増と順ベクトルでした。
今;あの馬体重なら配当的に馬連440倍もももちろん押さえた方が良いよ。馬体重はいつも解説している通り何よりベクトルが大事だからね。まぁ本命も人気薄だったから逆ベクトルで増えていてもしっかり買ったけど。
編;これもいつもの解説通りの結末でしたね。やっぱり馬体重で選択すると破壊的ですよね~。
今;本当なら単勝爆弾の強化版の上位評価馬数頭アタマから、危ない人気馬とか65点の低配当とかを消しての「馬単総流し爆弾」だとより破壊的で、このレースでも10万馬券が当たるけどね。まぁめんどくさいし時間もなかったから、僕も単勝と400倍の馬連だけだったよ(笑)。ただ時間があるなら、そっちの方がもちろんより破壊的な買い方になる。人気馬が消えて、あとはM的に良い馬の中から展開に上手く嵌まった馬が勝つという作戦で、展開がどうなろうとも対応出来ちゃうから運を大部分排除出来るわけだよね。あと、その前の同じ1600mが1番人気以外が内枠の馬だったから余計にだよ。あのレースは予想も当たったけど、本命が怪しい馬体重の3番人気だから、勝負度合いは落とした方が良いよ。まだ1勝だけの昇級3歳馬の差し馬で馬体重の流動性はマイナスベクトルには大きいけどね。
編;木更津特別の本命は馬場と逆の外の追い込み馬でしたもんね。やっぱり「馬体重と馬場を見て勝負」ということでした。それにしても、とんでもなく振り回した予想でしたよね~(笑)。予想上位4頭のうち3頭が、単勝11倍、46倍、79倍の人気薄で、実際その単勝79倍と11倍の2頭で決まって馬単10万馬券ですから。5着の10番人気カルタゴも5番手評価でしたよ。
今;振り回すときは理由があるから。今週は多頭数は切れない人気馬がいて、あとは少頭数という、かなりやりにくい番組ばかりが組まれていたんだよね。こういうときはコンビニFAXとかだと勝負レースは全頭分の表を作らないといけないんで時間掛かるから少頭数を選んだりもするんだけど(笑)。ただそのつまらなそうな多頭数の中で、このレースはストレスのあるグラニットとかミスヨコハマとかの人気馬が出ててM的には荒れる予感しかなかったから、勝負レースに選んだんだ。それでも展開が読めなかったり買いたい馬がいないとさすがに勝負レースではやらないけど、スローはなさそうなメンバーで展開がほぼ読めるからね。あとはうっすらとした手がかりの中で、どうやって人気薄をピックアップするかという作業になる。
編;それでピックアップした人気薄があの3頭なわけですね。
今;タイセイドリーマーはハイペース混戦の差し競馬向きが他にいないという理由だね。サザンテーストは格上げの鮮度、センタースリールは大幅延長と、近走ダートで、S質を強化した鮮度の高い活性化ステップ。タイセイドリーマーは前走太めだったから新潟帰りの中3週で絞れてくるのを狙ったのもあったよ。
編;結局増えて前残りだったのであの2頭で決まって10万馬だったわけですよね。
今;2頭の馬体重知ってれば同点だしサザンテーストから予想した可能性も高いとは思うけど、終わったことだから分からないよね。馬体重は自分でコントロール出来るわけでもないんで諦めるしかない。センタースリールは計算外の逃げの位置取りショックだったけど、思ったよりペースが上がらなかったし、S質を活かすには延長で「逃げられなかった逃げ馬」は破壊的だから。それとあの程度のペースなら自ら消耗戦に持っていくしかないしね。ただああいう馬場では馬体重やペース想定以前に同じような人気薄ならハーツクライのしぶとさではなく、S質な12番人気ベルシャザールの上位評価こそが正解だったのかもね。そこは甘さだった。ひたすら「S質、活性化!」で攻め抜く瞬間、中山マイルの高速馬場で、そういう瞬間だったのかもしれないね。激戦想定でC質に固執してミスったということかな。
編;ではスプリンターズSのデータ分析です。昨年は北九州記念17着後の8番人気ジャンダルムが勝ちました。
今;北九州記念6着以下は、10頭中3頭が3着以内だよ。来た馬の位置取りは前走3角3~11番手と様々。ただ3番手で来たのは道悪の年だから、どちらかというと差していた馬が優勢な感じかな。来た馬は今回3角1,3,14番手と極端な脚質を取った馬。ただ該当10頭中9頭が極端な脚質を今回取ったから、データ的な意味としてはそれほどはない。まぁ巻返しステップだけに極端な脚質が嵌まりやすいのはあるだろうけど。ちなみに4角の位置取りで見ると、前回5番手から今回1番手、8番手から2番手、11番手から14番手だから、象徴的な形での位置取りショックを施している馬は来やすいね。2走前は、1200mと1600mのGⅠで、2走前がGⅠの馬は3頭とも来ている。また2走前が1600mの馬は2頭とも来ていて、1200m重賞の馬は6頭中1頭が来ている。2走前1200m重賞で唯一来た馬は3月のレースで、来なかった5頭は6月以降のレースだった。それと1600mGⅠだった2頭は3歳戦で、2走前が古馬混合戦でなかったのは来た2頭だけ。まとめると当たり前だけど、ある程度タフな経験をしつつ、トップクラスのカテゴリーストレス、疲労の薄い馬が有利になっている。あと道悪の年だったのは来た1頭だけで、特殊バイアス発生時にも怖いね。
編;2着ウインマーベルは、キーンランドC2着後の7番人気でした。
今;札幌開催時のキーンランドC連対馬は、19頭中6頭が3着以内。前走2番人気以内だと11頭中5頭が来ていて、激走でなかった馬は怖い。ただ残りの1頭は出走19頭中最低の8番人気だったから、人気薄でも注意は必要だね。ちなみにその馬は2走前が準OPで、実績がないから人気が無かっただけというパターンになる。2走前が準OPだった馬は来た2頭だけで、同距離重賞連対馬だけにカテゴリーストレスの薄い馬ももちろん注意したい。その2走前は、マイルのマイラーズC8着だった馬以外は連対していた。似た条件なら勢いのある馬がベターな感じだね。前走の位置取りは3角1~16番手と様々。
編;該当馬は差していましたよ。
今;なら3角5番手以降でみると、9頭中3頭が3着以内。来た3頭の2走前は3歳の葵S、準OP、函館スプリントSだから特に特徴はない。まぁ函館スプリントSの馬は競走除外でその前は3月の高松宮記念なんで、全体的にフレッシュな馬が来ている感じかな。
編;3着ナランフレグは、安田記念9着後の5番人気でした。
今;安田記念9着以下は、10頭中4頭が3着以内だよ。来た4頭は、前走3角10番手以降。前走10番手以降だと5頭中4頭が来ていて、差し馬の距離短縮ショック療法は怖いね。まぁ巻返しステップだから、極端な脚質が嵌まらなかったタイプが来やすいというのもあるだろうけど。2走前は、高松宮記念1着2頭と、京王杯1,4着だった。どちらかというと2走前に好走してそのストレスで凡走したMの基本タイプが有利な感じだね。あと4頭はバウンド短縮だった。ただこのステップはだいたいバウンド短縮だったから、それほど大きな意味はないかもだけど。5走前まで遡ると、重賞ではなくOP特別だった馬は3頭とも来ていて、ダートだった馬も1頭のみで来ている。トップクラスカテゴリーストレスが薄いとより有利になるという感じだよね。
(続く)
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